海に向かう道。自転車を漕ぐ。
くッそぉ、ロードレーサーにバンバン抜かれる。
オッ!?前からヘンなのが来る。
おりょ、リカンベントやん。
俺より十歳は上だろう。かっこエエなあ。
ハンドルに突っ伏し、ペダルを漕いでは止め、漕いでは止め、
一所懸命漕いでいるつもりなのだが、思ったより進まない。
Tシャツが汗でびっしょり張り付く。情けない。
海から帰る道。自転車を漕ぐ。
グイグイ進む。
おっ、マウンテンバイクが抜いて行く。
負けるかっ!と追いかける。
あれ?回転数を上げても苦しくない。
漕ぐ、漕ぐ。 進む、進む。
自分の力が確実に地面に伝わるのが判る。
ペダルを漕げば、その分前へ進む。
止めて空回りさせて、惰性で進む必要がない。
漕げる。漕げる。
おお、これは「ランナーズハイ」状態なのか?
とても、気持ちよかった。
と話したら、言われた。
「そんな時は、一度止まって風を感じろ。」
はい、スイマセン。追い風のせいでした。