2012年10月2日火曜日

夜の粗忽者


夜の水路で竿を出す。
今まで、
アタリがあっても、釣ったことがない。
今回で三回目だ。
作戦を練り、竿を、二本にした。

まず、いつもの竿を投げ、
二本目を投げた後、
さて、一本目を上げてみると、
アレ、何か、ひっついてる。
チビハゼくんだ。

おめでたいはずの、初釣果なのだが、
うれしくない。
小さいからではなく、
引っかかっていた事が問題。
これは、釣ったのではなく、
勝手に「釣れた」だけだ。

気合を入れ直し、
水路の端から探りまくっていると、
橋のたもとに、パトカーが止まり、
おまわりさんがやって来た。

「網で掬えないんですかぁ?」
「それじゃあ、釣りにならんでしょう。」
笑って話しかけてくるけど、
下らなすぎる問答に、ウンザリ。
まあ、夜の橋上の釣り人は、
不審者とみられても仕方ない。

もう少し粘ろうと頑張っていると、
アタリはないのに、根掛かりだ。

ままよと竿を煽ると、
フッと
竿のテンションが消失・・・

はるか足下の水面で、ボチャン
と音がする。

根本から、竿が折れた。
初めての経験だ。

もっとソフトに扱わなくちゃなぁ。

夜の粗忽者は、
薄らワライを浮かべて、
トボトボ帰ったわけだ。

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